ぬりえアプリはタブレットとスマホ、どちらが楽か
効いているのは画面の大きさそのものではなく、指の幅あたりに入る絵の画素数です。その一点から見ると、有利不利ははっきり分かれます。
同じアプリをタブレットとスマートフォンの両方に入れると、密な絵ではタブレットのほうが明らかに楽だと感じるはずです。ただしその理由は「画面が大きいから」ではありません。もう一段だけ具体的な理由があって、そこを押さえておくと、買い足すべきかどうか、どちらでどの絵を開くべきかの判断がつきます。
効いているのは画面の大きさではない
指先がガラスに触れている面は、直径にしておよそ8〜10ミリです。この数字は端末を変えても変わりません。変わるのは、その8〜10ミリの下に絵の情報がどれだけ入っているかのほうです。
キャンバスは長辺1536画素で、これも端末によらず同じです。ですから全体表示にしたとき、小さい画面では1536画素が狭い範囲に押し込められ、広い画面では同じ1536画素がゆったり広がります。つまりタブレットでは、指1本の下に入る画像の画素数が少なくなります。狙った領域が指に隠れきってしまう確率が下がる、ということです。
比べるべき数字は画面の対角ではなく、この「指の幅あたりの画像画素」だと考えると、話が一本にまとまります。スマートフォンでも拡大すれば同じ状態を作れますし、実際そうやって解いています。タブレットが差し出しているのは、拡大しなくてもその状態に近い、という手数の節約です。
タブレットが楽になるところ
- 全体表示のままでも小さい領域が押せるので、ピンチで寄って戻る往復が減ります。数百の領域がある絵では、この往復の総量が疲れの大半を占めます。
- 絵の全体を見ながら塗れます。曼荼羅や薔薇窓は対称の構造そのものが見どころなので、いま塗っている一片が全体のどこに効いているかが見えるのは、単純に楽しい部分です。
- 端末を机や膝に置いて、腕を浮かせずに押せます。長く続けたときに効くのは精度より姿勢のほうで、ここは差が大きく出ます。
- 拡大鏡を呼び出す回数が減ります。機能はどちらでも同じですが、必要になる場面がタブレットでは少なくなります。
スマホが勝つところ
- 常に持っています。これが最大の利点で、他のどの項目より効きます。取りに行かなければ始まらない道具は、細切れの時間には使われません。
- 片手で持てます。立っているとき、行列のとき、片方の手がふさがっているとき、タブレットは選択肢に入りません。
- 十五分の使い方に向いています。1枚につき12色なので、一色を進めて閉じる、という単位が細切れの時間とよく噛み合います。
- 重さが問題になりません。仰向けで持ち上げて使う場面では、タブレットは腕のほうが先に音を上げます。
端末を変えても変わらないこと
数字が出る倍率
これは誤解されやすい点です。番号は1.8倍より拡大したときにだけ描かれ、同時に表示されるのは400個までです。この条件は倍率で決まっていて、画面の大きさとは関係がありません。ですからタブレットで全体表示にしていても、番号は出ません。番号を読みたければ、どちらの端末でも拡大する必要があります。
もっとも、番号を読む場面は思っているより少ないはずです。色を選ぶと、その色の未塗り領域がキャンバス全体で一度に強調表示されます。番号を一つずつ読み取るより、印のついたところを押していくほうが速く、これも端末を問いません。
タップ補正の半径
このアプリは触れた点の1画素だけを読むのではなく、まわりの小さな円の中で最も多く現れる未塗りの領域番号を選びます。この円は全体表示でおよそ14画像画素にあたり、拡大すると縮みます。半径は画像上の画素で測られているので、端末が変わっても補正の強さは変わりません。変わるのは、その14画素が指の下でどれだけ広く見えるかのほうです。
拡大鏡
長押しでキャンバスから2.4倍の拡大鏡が浮き上がり、中心の十字が実際に塗られる場所を示します。これも端末で挙動は変わりません。スマートフォンでいちばん密な絵に挑むときは、この機能が事実上の前提条件になります。
進み具合は端末ごとに別
二台で使うつもりなら、ここは先に知っておいたほうがよいところです。Numbrush にはアカウントがありません。端末の中の匿名の識別子だけで動いていて、通信も一切しません。進み具合は領域ごとに1バイト、その端末の中に保存されます。
つまり、スマートフォンで途中まで塗った絵の続きが、タブレットに現れることはありません。二台はそれぞれ独立した進み具合を持ちます。これは同期の機能が抜けているのではなく、アカウントもサーバーも持たないという設計から出てくる当然の帰結です。
実際の使い方としては、絵のほうを分けてしまうのが簡単です。密で長くかかる絵はタブレット、移動中に触る軽い絵はスマートフォン。同じ絵を二台で追いかけようとしなければ、この制約はほとんど表に出てきません。
どちらを選ぶか
- いちばん密な絵を最後まで塗り切りたいなら、持っているならタブレットです。差が出るのは精度そのものより、往復の手数と姿勢です。
- 主戦場が移動中や待ち時間なら、スマートフォンです。持っていない道具は使われません。
- 両方あるなら、絵で分けます。進み具合は端末ごとなので、この分け方は制約とうまく噛み合います。
- ぬりえのためだけにタブレットを買い足すかどうかについては、勧めません。拡大鏡とタップ補正があれば、いちばん密な絵もスマートフォンで最後まで塗れます。タブレットが減らすのは手数であって、できることの範囲ではありません。
よくある質問
タブレットのほうが小さい領域を塗りやすいのはなぜですか
指の接触面は端末を変えても8〜10ミリ前後で同じなのに、画面が広いほどその下に入る画像の画素数が少なくなるからです。キャンバスの長辺は1536画素で共通なので、広い画面ではその1536画素がゆったり広がり、狙った領域が指に隠れにくくなります。
タブレットなら拡大しなくても番号が読めますか
読めません。番号は1.8倍より拡大したときにだけ描かれ、同時に400個までという上限もあります。これは倍率で決まる条件なので、画面の大きさとは無関係です。ただし色を選べば未塗りの領域が全体で強調表示されるので、番号を読む必要のある場面自体が多くありません。
スマホとタブレットで進み具合は共有されますか
されません。アカウントがなく、通信もせず、進み具合は端末の中に保存されるからです。二台で使うなら同じ絵を追いかけるのではなく、密な絵はタブレット、軽い絵はスマートフォン、と分けるのが現実的です。
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