塗っていてもくつろげなくなったとき
前は落ち着いたのに、いまは塗っているとイライラする。原因はいくつか具体的に特定できます。そして、しばらくやめるという選択肢もあります。
前は塗っていると落ち着いたのに、最近はむしろイライラする。押し間違えると腹が立つし、なかなか終わらないことに焦る。同じアプリで同じことをしているのに、感じ方だけが変わった。原因はだいたい四つのどれかで、自分で確かめられます。
自分で目標にしてしまった
いちばん多いのがこれです。「今夜これを終わらせる」と決めた瞬間に、塗り絵は気晴らしではなく仕事になります。目標があると、進み方が遅いことは遅れになり、押し間違いは失敗になり、途中でやめることは挫折になります。どれも、目標を立てる前には存在しなかったものです。
調整は単純で、終わらせようとするのをやめることです。今日はこの色だけ、あるいは十分だけ、と決めて、終わったら途中でも閉じる。中途半端なところで閉じられるかどうかが、この遊びが気晴らしのままでいられるかどうかの境目です。
単に疲れている
見落とされやすいのがこれです。目も注意力も限界を越えている状態で細かい作業を続けると、体は眠気ではなく苛立ちとして反応します。だから本人は「疲れている」と気づかず、「このアプリが煩わしい」と感じます。
見分け方があります。イライラし始めた時点で、押し間違いが増えていたかどうかです。増えていたなら疲労のほうです。この場合、対処は塗り方の工夫ではなく、閉じて別のことをするか、寝ることです。
絵が合っていない
同じアプリでも、絵によって手ざわりは大きく違います。合わない方向は二つあります。
- 密すぎる絵。領域が小さくて数が多いと、探す作業が主で、塗る作業が従になります。塗っている時間より探している時間のほうが長いと感じたら、その絵は落ち着くための絵ではありません。
- 単純すぎる絵。逆に領域が大きくて数が少ないと、手が余ります。何も考えずにできてしまう作業には意識が留まらないので、頭のほうが別のことを考え始めます。そうなると、目の前の作業は退屈な邪魔者になります。
ちょうどよい密度は人によって違いますし、日によっても違います。疲れている日に合う絵と、頭が冴えている日に合う絵は同じではありません。合わないと思ったら、絵のほうを変えてみるのがいちばん早い実験です。
アプリが圧力を足している
最後に、自分の側ではなく道具の側に原因があることがあります。連続記録の表示、経過時間の計測、他の人との順位、絵と絵のあいだの広告、通知。どれもくつろぐこととは反対方向に働きます。
連続記録がとくにたちが悪いのは、途切れるまで気づかないからです。数字が伸びているあいだは気分がよく、一日空いた瞬間に損をした感じだけが残ります。気晴らしのはずのものに、失うものが生まれています。切れる設定があるなら切る、なければ気にしないと決める、それも難しければアプリを変える。この三つです。
しばらくやめる、という選択肢
ここまでの調整を全部試しても戻らないことはあります。そのときの答えは、しばらくやめることです。謝る必要も、理由をつける必要もありません。
気晴らしは、効くときと効かないときがあります。効かなくなったものを無理に続けるのは、それを永久に嫌いになるいちばん確実な方法です。半年やめて、あるとき思い出して開いたら、また落ち着いた。そういう戻り方をする人はたくさんいます。
一つだけ、書いておきます。もしその塗り絵が、もっと重たい何かの代わりになっていたのなら——考えたくないことを考えずにいるための手段だったのなら——それは別の話です。塗り絵が効かなくなったのではなく、塗り絵で抑えきれない何かがあるということで、それは一枚の絵で片づくものではありません。話せる相手がいるなら話してください。
よくある質問
前は落ち着いたのに、いまはイライラします
まず、自分で目標を立てていないか確かめてください。終わらせようと決めた瞬間に、遅さは遅れになり、押し間違いは失敗になります。次に、押し間違いが増えているかどうかを見てください。増えているなら原因は疲労で、塗り方の工夫では戻りません。
どんな絵を選べばよいですか
探している時間より塗っている時間のほうが長い密度が目安です。密すぎると探す作業が主になり、単純すぎると手が余って意識が留まりません。ちょうどよい密度はその日の状態でも変わるので、合わないと思ったら絵を変えてみるのが早いです。
連続記録が気になって義務になっています
よくある反応で、記録という仕組み自体がそう働くようにできています。切れる設定があるなら切ってください。切れないなら、意図的に一日空けてみるのも一つの手です。途切れても何も起きないことが分かると、たいてい気にならなくなります。
やめてしまってもよいのでしょうか
よいです。気晴らしは効くときと効かないときがあり、効かなくなったものを無理に続けても戻りません。しばらく置いてから開くと、また落ち着くことはよくあります。やめることに理由も説明も要りません。
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