なぜ絵の縁が硬いのか
アンチエイリアスは、縁の画素をわざと「どちらでもない」状態にするための技術です。すべての画素がちょうど一つの領域に属さなければならない絵では、その曖昧さは見栄えの良し悪しではなく、単なる誤りになります。
カラーバイナンバーの線と色の境目は硬く、拡大するとはっきり階段が見えます。ほかの画像のような柔らかい移行がありません。これは雑に作ってあるからではなく、そうでなければならないからです。
アンチエイリアスは何をしているのか
画面は正方形の格子なので、斜めの線を引けば必ず階段になります。アンチエイリアスの手口は、境目に二つの色の中間色を置いて、目に階段を滑らかな線として補完させることです。
この一文の実質に注意してください。境目に、こちら側にもあちら側にも属さない画素を作っているのです。ふつうの画像ならこれは非常に良い方法です。画像の用途は見られることだからです。
ここでは通用しない理由
カラーバイナンバーのアプリは「いま触れた位置はどの領域か」に答えなければなりません。Numbrush のやり方は、画面と同じ大きさのもう一枚の画像を持ち、各画素に色ではなく領域番号を入れておくことです。番号は赤に上位バイト、緑に下位バイトとして入り、青が 255 なら輪郭の画素、番号 0 は背景です。触れた位置はこの一枚を引くだけで分かり、幾何計算は要りません。
ここにアンチエイリアスを足すとどうなるか。境目の画素の値が「17番と23番の混合」になります。計算すると 20 かもしれません。そして 20番はまったく別の領域で、画面の反対側にあるかもしれません。
これが核心です。色の上での混合は美意識ですが、番号の上での混合は算術の誤りです。この一枚は画素単位で無劣化でなければならず、補間は一切許されません。だから転送時にカラースペースのタグを付けず、標本化は最近傍、ミップマップも作りません。
それで絵のほうも硬くなる
番号の地図が硬くなければならないとして、絵のほうはどうでしょう。柔らかくすることはできますが、そうすると番号の地図とずれます。見えている縁はここ、実際に効いている境界はそこ、その差が一、二画素。移行帯を触ると隣が塗られます。
だから両方を一致させるほうが素直で確実です。絵は平らな色の多角形で、縁がある場所に番号の境界もあります。見えているものと触れているものが、いつでも同じです。
この作品群の「平たい」見た目——扁平な色面、はっきりした輪郭、階調なし——は、様式を先に決めた結果ではありません。「見えている通りに触れる」という要求から自然に生えてきた形です。
よくある質問
グラデーションがあるように見える絵もありますが
多くは、隣り合った色の近い独立した領域を並べて作った擬似的な階調です。拡大すればそれぞれの硬い境界が見えます。
硬い縁だと画質が悪く見えませんか
等倍では分かりません。大きく拡大したときだけ目立ちます。そして塗っている最中に見ているのは領域の境界なので、硬いほうがどこまで塗ったか分かりやすいという面もあります。
写真をこの形式にできますか
できますが、別のものになります。連続した色を有限の段階に量子化し、それぞれを境界のはっきりした領域に変える必要があるからです。量子化を終えた時点で、それはもう写真の見え方ではありません。
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